Celestolia

セレストリア 物語

N°1. セレストリアの誕生

21esiecle

セレストリアは、21世紀の衣づくりをするために生まれました。

2022-06-26

N°2. 21世紀の衣づくりは昔ながらの方法で

naissance

21世紀の衣づくりには、なにも新しいものはなく、秘密もありません。 昔ながらの方法です。

土からくりかえし生まれる植物を原料にして、植物から繊維を採り、その繊維で糸を紡ぎ、布を織り、必要な分だけ衣をつくります。作りすぎて捨てることはありません。

再生可能な植物原料を使い、製品を廃棄しない。この昔ながらの方法が環境に一番よい。環境を崩して生き物を苦しめることがなく、壊した環境を修繕する膨大な費用もなくなります。

地球を愛するみなさまとともに、セレストリアは21世紀の新しくて古い方法で衣づくりをしてまいります。

2022-06-27

N°3. 素晴らしい植物素材:竹

naissance

私の植物素材に対する関心は2009年末、竹から始まりました。
パリ近郊に新しくできたアトラクション・パークに誘われて行った時、ファースト・フード店で山のように捨てられる発泡スチロールのお皿を見ました。私の生まれた日本では昔、竹の皮が使い捨ての食品包装だったことを思い浮かべました。今それができないのだろうか。この疑問から竹について調べ始めるといろいろなことがわかりました。

日本では、第2次大戦以前は竹が生活の様々な分野に使われていました。建築、造園、インテリア、調理用具、文房具等。
しかし戦後プラスチックに凌駕され、日本の各地に放置竹林が生まれました。育成の早い竹林の侵略的な発展により山や畑に被害が起こりました。(写真は別のネットワークで既掲載)。

そこで研究機関や中小企業が竹を加工する様々な技術を開発し始めました。建築・インテリア用の集積材、プラスチック様の成形材料竹粉、製紙、繊維、空気や水を浄化する竹炭、エタノール等。竹素材は大変広い分野に活用できます。もちろん伝統的な竹工芸も存在します。

2022-06-30

N°4. 夢のバンブーシティ

naissance

ごく短期間で竹産業の構想が描かれました。フランスに竹を計画的に栽培するプランテーションを造り、日本の加工企業を誘致し、フランスの関連企業 (製造、デザイン、設計)も集まる竹素材のグリーン産業シティ、バンブーシティを創る構想です。多くの人が環境産業のために働き、そこから製品をヨーロッパに販売するのです。

研究機関とトレーニングセンターを併設し、公園には博物館と製品のショールームを作る。カフェやレストラン、講演会場、日本庭園も造りたい。 ソーラーパネルを主体に、プランテーションから出る竹のゴミや製造業の竹素材のゴミを収拾してメタンガスを造り、シティの自給エネルギー源とする。

私の最大の懸念は、竹は水がたくさん必要なこと、植林する地域に異質な植物を持ち込むことの被害、および単一栽培のエコシステムにおける被害をあらかじめ科学的に調査することです。それをクリアしたら、産業プロジェクトの準備を開始できるだろうと思いました。
多くの人に会い、知見を得て、まずは前段階の研究に必要な組織と予算を構築したかった。しかし1年半の努力は実りませんでした。日仏合同の環境産業プロジェクトは、夢のバンブーシティーに終わりました。

2022-06-30

N°5. 植物原料で基本的な物を作る

basiques

植物は再生する。植物由来の製品を廃棄しても汚染が少ない。私の植物原料に対する思いは続きました。植物原料を利用して日常必要なものを作りたい。

そうだ、基本の形のシャツを作ろう。これまで、ごく基本的な形で、着やすくて、きれいなシャツを見つけるのが大変でした。布がペラペラだったり、化繊が入っていたり、形がゆがんでいたり、縫製が甘かったり、いらない装飾がついているものが多い。見た目は良くても着にくいものがたくさんある。そしてたとえ気に入ったものが見つかっても、もう一枚欲しいと思い次の年に探すのですが市場にない。

いつまでも変わらずに気分よく着られて、再び購入できる信頼のシャツを作ろう。2014年にアイデアが固まりました。素材は自然に綿が浮かびました。

ところが調べると、綿花栽培には大量の農薬と灌漑の水が必要なことがわかりました。農薬の環境負荷はもちろんのこと、水不足は大きな地球規模の問題です。環境にやさしい綿花栽培を開発している生産者もあることでしょう。しかし、コットンの調査を深めるまでもなく、まもなく驚くべき情報に出会いました。

2022-07-01

N°6. フランスの亜麻栽培 フランスでエコロジー企業を起こす原点になる

basiques

"「フランスで亜麻が栽培されています。」インターネットで調べていた私の目は釘付けになりました。「綿が導入されて亜麻栽培は後退したものの、再び栽培が始まりました。今日フランスは繊維型亜麻の世界第1の生産国です。」私の息が止まった。
さらに、亜麻は化学的投入物が少なくて済み、水は雨水で足りる。特に北フランスでは昔からの栽培方法が取られています。例えば、6〜7年毎の輪作により土壌の寄生虫の増殖を抑制し、亜麻の繊維は風、雨、バクテリア等自然の力を借りて抽出されます。あまりにも驚くべき内容で、おとぎ話を読んでいるようでした。
フィナーレにおいて感動はさらに大きくなりました:こうして得られた繊維は大変高い品質の繊維となります。私と同じように周りのフランス人はフランスで亜麻がこのように生産されていることを知りませんでした。

フランスで環境を尊重して栽培される亜麻を使い、身近な地域で生産を行いながら、良質のリネンシャツ&ブラウスを作ることが可能になりました。エコロジー企業の計画ができました。
すなわち、亜麻栽培からリネンの生地、服の製造まで全てをフランスおよび近隣のヨーロッパで行う。企業はパリに設け、決定、製品のデザイン・設計、製造の調整、コミュニケーション、販売、お客様の対応、発送・輸出等多種の活動を行うのです。

2022-07-03

N°7. 製品は総合の力

basiques

一つの製品は総合の力。様々なステップが積み重なって生まれますね。

環境を尊重して栽培される北フランスの亜麻から高品質の繊維が採れる。原料はこれ。次のステップは製品の形。基本的な形の良質なリネンシャツとブラウスを作る。

自分の求めているものを形にするためには他人に任せるのでなく、自分で作ることにしました。もともと美術に進みたかったので、デザイン、型紙制作、寸法変化、試作は自分で行います。失敗すること数百回。でも失敗の中で、何が悪いか、どうしたらいいかを考え、実行し、その中で技術を習得することができました。応用、変更修正が難なくできるようになりました。

2016年の春、素晴らしいリネンの布に出会いました。それまで市販の最も安い生地やリネン地で試作していましたが、このリネンで作ると同じデザインなのにとてもすっきりするのです。見た目、着たライン、着心地が違う。以前、仏大手ブランドのデザイナーの通訳を行いましたが、マティエール(素材)が全てを決める、と言っていた意味がわかりました。

このリネンの布を得たことで試作研究がさらに進み、2017年に数種の型ができました。その中に、エッセンシャル・シリーズのブラウス「セレニテ」と「クラルテ」、シャツ「エテルニテ」があります。

2022-07-06

N°8. シンプルで作りが良い

simple

シンプルでバランスが良く、着心地がよいリネン シャツとブラウスを作りたい。多くの人に似合う基本的な服、仕事、外出、レジャー、憩いなど様々な場面に着られて、長持ちする服を。

約30年前のこと。日本人の男性の方がパリに旅行に来ました。シンプルで質の良いセーターはどこで買えるでしょう、と質問されました。その手の製品を常時置いているのはあそこと思い、キャピュシーヌ大通りにあるイギリスの店にお連れしました。木製のカウンターの後ろに大きな棚があり、シンプルな形のセーターが襟元の形と色毎に並べられていました。男性はVネックのボルドー色を、と頼みます。店員さんが渡すとそのままカウンターの前で試着して買うことに。取引は5分で完結。

奥様が、似たようなセーターを12年来ていたのです、とおっしゃいました。おそらくご主人は新しく購入したセーターも同じだけ着て、探す時間もお金も節約されたことでしょう。

30年前は、日常使用の消費財は普通に良い品質でした。洗練されたものや希少な素材を使ったものは相応に高価でしたが、普通レベルの製品で使用者は満足できました。店員は製品に誇りを持って客に勧めました。「この製品は作りが良く、しっかりしているんですよ」。

今日、衣類産業は長持ちしない物を大量に生産し、その結果大量に廃棄するので環境に汚染公害を引き起こしています。

私はフランスで、作りが良く、しっかりしているリネンシャツとブラウスを作りたいと思いました。それほど前ではない時期にそれが可能だったのですから。

2022-07-07

N°9. 質と価格

qualite

原料の亜麻はフランスで生産されます。日常に役立つ製品を、原料のとれるところで作るというのは太古からの生産方法でした。それを21世紀のエコロジー企業に適用できるなんて素晴らしい!

他の先進工業国と同様、フランスの多くの工場が海外移転しました。わずかに残った縫製工場は長年の経験を蓄積して確かな技術を持っているところでした。作りの良い製品を実現するためには、まさに必要な技術でした。

価格は、最低賃金が比較できる場合においてのみ、比較ができます。製品の価格を決める要素は多い。原料と製造の質、およびモノに関わる人体工学や美的要素などは伝統的な評価基準です。今日は、環境インパクトと人の扱いが必須要素として加わりました。

セレストリアでは、原料の生産から最終製品がお客様に渡るまでの間、販売またはその他の理由で長距離運送は存在しても一回のみ。売れ残り製品の廃棄は一切ありません。労働者の悪待遇はあってはなりません。

2022-07-13

N°10. リネン の布類

linge

フランス語に、linge (ランジュ)という言葉があります。
フランス語の辞書『ル・プチ・ロベール』(1986年版)によると、lin (ラン=亜麻、リネン)から派生しました。その意味は、

1)コットン、リネンまたは化学繊維からできた家庭用布類。(・・・)「ランジュ・ド・メゾン」として寝具、洗面、食卓、台所用布類。(筆者:いわゆる「ホームリネン」ですね)

2)軽い布でできた服の下に着る衣類(「身体用布類」とも言う)。下着。

古代から栽培されていた亜麻。この繊維からできるリネンは、日常頻繁に使用し、人の肌に触れる布としての先駆者だったのですね。今日でも、リネンはこの用途においては最も優れた特性を持っています。私自身、数年前から毎日のようにリネンのブラウスを着ていますが、このカテゴリーのチャンピオンだとつくづく思っております。

写真 リネンの布巾 Jardin d'inspirations

2022-07-17

N°11. 夏は涼しく 冬は暖かい

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夏に涼しい家は冬に暖かいことが多いですね。リネンシャツ とブラウスについても同じです。

リネンシャツが暑い季節に涼しいのは、リネンは水分の吸収蒸散が早いことによります。汗が早く乾くのですね。それと比較すると綿は水分を吸収しますが長い時間滞留させます。加えて、リネンの繊維構造により布が肌に張り付かない。空気が肌と布の間を通り抜ける心地よさはたまりません!

通念とは異なり、寒い季節にリネンシャツは暖かいのです。上着やセーターを着ることでリネンシャツと肌の間が程よい温度に保たれ、しかも空気の循環を妨げません。重ね着しても圧迫感がないのでとても快適です。

2022-07-18

N°12. 快適な1日を過ごすために

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リネンシャツやブラウスは、夏冬問わず肌に直に着るとたいへん心地よいものです。理想的な下着、リネンシャツの第一の用途でしょう。

暑い季節は、水分を吸収しかつ蒸散するという二重の作用により、肌を乾いた状態に保ちます。寒い時期は、リネンシャツの上に上着やセーターを着ればリネンの下で自分の体温の自然な暖かさが保たれます。

リネンの布は肌に張り付きません。肌の呼吸を妨げず、布の下で循環する空気の温度や湿度が良好な状態になります。

ご経験がおありでなければ、試されてはいかがでしょう。私自身、寒がりでメリアス下着を愛用していましたが、リネンシャツを着るようになり手放しました。

1枚省いて健康的、身軽になり、一日中快適に過ごすことができます。

2022-07-22

N°13. 洗って乾かす

agreable

リネンは洗いに大変強い素材です。リネンのシャツやブラウスは、肌に直に着る下着として最適ですので、頻繁に洗うためにはとても大切な要素ですね。

さて、リネンはシワになるから躊躇する、アイロンを掛けるのが面倒、という方が多いかと思います。

シワは亜麻の繊維、自然が作るシワです。そして、リネンはノーアイロンでも素敵。写真のシャツは、亜麻色のリネン地の「エテルニテ」(プロトタイプ)。手洗いでほとんど絞らずハンガーにかけて干しました。洗いざらしのラフな感覚がいいですね。

ノーアイロンは時間とエネルギーの節約になります。でも、セレストリア のリネンシャツとブラウスはシンプルな形だから楽ですよ。時と場合に応じてピシッとアイロンをかけたり、洗いざらしを楽しんでください。 詳しいお手入れの方法はサイトをご覧ください。

2022-07-24

N°14. 製品の長寿

longuevie

「この布巾は祖母から受けたんですよ。」私が部屋を借りていたパリの西の地区にあるアパルトマンのキッチンで、大家さんが言いました。今から35年以上前のことです。「リネンはすごいです。よく拭けて、長持ちします。」普段厳しそうな表情のお顔が急に晴れやかになりました。当時リネンにまだ興味がなかった私は、そのことより、マダムがうっとりしながら意見を言う姿に感じいりました。

現在でも、かつてのリネン製のホームリネン(重複ですね笑)を思い出しながら、その質の良さを褒め称える高齢の女性達に出会います。ところで、なぜ男性には話題にならないのだろう。間もなくそうなるかしら・・・

リネンには洗濯に強いという利点がありますが、さらには洗うほどに柔らかくなるという利点もあるのです。経年変化により良さが増す稀有な布の一つと言われています。ただし、変化の度合いはリネンの布により異なります。

他の天然素材でできた物と同様、リネンは使い古し、また穴が開いてさえも魅力が増します。年季が入って肌にやさしく、見た目にも風合いが高まるでしょう。

私は、両親が子供に自分の衣類や持ち物を大切に長く使いなさいと教えられた最後の世代に属します。使い捨てや頻繁に型を変える生活様式は存在していませんでした。

セレストリア のリネンシャツ・ブラウスは、製品の長寿を目指して生まれました。そのための品質です。選んでくださった皆様に、ずっと満足しながらすり切れるまで着ていただけますように。

2022-07-26

N°15. 21世紀の企業

21esiecle

製品廃棄ゼロは、セレストリアが21世紀の企業になるための原則の一つでした。

売れ残りが捨てられる。ならば過剰生産をなくせば良い。

デザインや布の色、そしてサイズは人によって異なります。様々なケースに応えられるように製品を揃えると、必ず売れ残りが生じてしまいます。

そのためセレストリアでは注文販売を行なっております。注文販売は、お客様のご注文を一つ一つ承り、工場生産の細かい調整管理を行い、お客様一人一人にご連絡し、送付や輸出を行います。この販売方法はたくさんの仕事が生じ経費がかさみますが、製品価格に反映させていません。

セレストリアのリネンシャツとブラウスの価格は、製品そのものの正当な価格です。夏も冬も心地よく、エッセンシャルシリーズは簡素でエレガント、パッチワークシリーズの模様は心が弾む楽しさ。いずれも頻繁に着て洗う服ですが高品質ゆえに長持ちします。

フランスでは、有機農業が市民に認められるまでに時間がかかりました。セレストリアのような企業も同じことでしょう。セレストリア は企業活動の中で、私たちの地球をさらに悪化させるような要因をできる限り排除しています。

21世紀の差し迫った環境問題の要請に応える製造販売を実現しながら、良質のリネンシャツを提案し、選んでくださった方々に満足していただけるような企業を目指してセレストリアが生まれました。

セレストリア物語 終了

2022-08-02